法律事務所のホームページを新しく作るときや作り直すときは、デザインや使いやすさだけでなく、日本弁護士連合会(日弁連)が定める業務広告の決まりにも目を通しておきたいところです。中心になる「弁護士等の業務広告に関する規程」は2025年12月5日に改正され、改正規定は2026年4月1日から(一部は7月1日から)施行されています。規程の解釈と運用を示す「業務広告に関する指針」も、2026年2月19日に改められています。ここでは、日弁連が公開しているこの2つの文書から、ホームページを作る側が知っておきたい項目を、文面に沿って紹介します。どの表現が規程に当たるかの判断は個々の事情で変わるため、迷う点は所属する弁護士会や日弁連の案内で確かめてください。
規程の対象になる「広告」とは
規程の第2条によると、ここでいう広告は、弁護士や弁護士法人が、口頭や書面、電磁的な方法などで自分やその業務を人に知らせる行為のうち、顧客や依頼者になってもらうよう誘うことを主な目的とするものです。指針は、看板や新聞、電話帳と並べて、ウェブサイトや動画サイト、SNS も広告に使える媒体として挙げ、媒体そのものを理由に一律で禁じられるものは無いとしています。そのうえで、広告のやり方や表示の形、場所しだいで第3条に反することがありうる、と付け加えています。また、法律問題を解説する動画を公開し、作り手として弁護士の名前や事務所の連絡先を添えること自体は、顧客を誘うことが主な目的とは必ずしも判断されないとしつつ、最後に相談を呼びかける文言を入れる例や、そうした文言が無くても全体の趣旨から誘うことが主な目的と見られる場合があることに注意を促しています。解説のコラムを載せるホームページでも、この考え方は頭に置いておきたいところです。

規程が禁じている広告と、表示できない事項
規程の第3条は、次のような広告をしてはならないと定めています。
- 事実と合わない広告
- 誤った方向に導いたり、誤解させたりするおそれのある広告
- 大げさな表現や、行き過ぎた期待を抱かせる広告
- 相手を困らせたり、必要以上に不安をあおったりする広告
- 特定の弁護士や弁護士法人、それらの事務所などと比べる広告
- 法令や、日弁連・所属弁護士会の会則や会規に反する広告
- 弁護士の品位や信用を傷つけるおそれのある広告
第4条は、広告に載せられない事項として、訴訟の勝訴率、顧問先や依頼者、受任中の事件、過去に扱ったり関わったりした事件を挙げています。顧問先や依頼者、事件については、書面や電磁的方法で同意を得ている場合などの例外も定められています。この第4条の第2号から第4号までは、2025年12月の改正規定が2026年4月1日から施行された部分です。
指針は、文言の例も細かく挙げています。たとえば、客観的な裏付けの無いまま「専門家」や「専門分野」と表示することは控えるのが望ましいとし、「スペシャリスト」「プロ」「エキスパート」といった言葉も同じ扱いにしています。一方で、「取扱い分野」「取扱い業務」という書き方は、専門性の評価を含まないものとして、第3条の第2号・第3号には当たらないとされています。ほかにも、「最も」「一番」、「完璧」「パーフェクト」、「信頼性抜群」「顧客満足度」、「常勝」「不敗」などは、文脈によっては問題になりうる言葉として、使うときに十分注意するよう求められています。2026年の指針の改正については、日弁連新聞(第625号)が、「困惑させ、又は過度な不安をあおる広告」の例として、自己破産について不安をかき立て、任意整理などの依頼へ誘う広告などが加わったと伝えています。

広告に表示する事項と、残しておく記録
第9条は、広告に表示する事項を定めています。弁護士なら氏名と所属弁護士会、弁護士法人なら名称と、主たる法律事務所か広告に関わる従たる法律事務所の名称、そして所属弁護士会です。指針によると、事務所名だけでは広告の責任が誰にあるのかがはっきりしないため、それを明らかにするのがこの条の趣旨で、所属弁護士会の表示には、内容におかしな点があるときに利用者が弁護士会へ問い合わせる手がかりにしてもらう意味があります。ウェブサイトのバナー広告も広告に当たりますが、バナーから移った先の、いつも表示されるページに責任者の氏名と所属弁護士会が出ていれば、バナーそのものに載せる必要はないとされています。電話や電子メールなどの通信手段で依頼を受ける場合の広告では、第9条の2により、受ける法律事務とその範囲、報酬の種類や金額、計算のしかたと支払いの時期、契約を途中で解除できることと、途中で終わったときの精算のしかたも表示することになっています。
第11条は、広告をした弁護士等に、広告物やその複製、広告をした日時や場所、送付先などの記録を、広告が終わってから3年間保存するよう定めています。この条の改正規定は2026年7月1日から施行され、附則には、広告業者との契約書などの保存は同日より前に終わった広告には当てはめず、契約に関わる入出金の記録の保存は同日より前の入出金には当てはめない、とあります。指針では、広告業者を、弁護士等から広告の業務を任された事業者とし、請負か準委任かといった契約の形や名前は問わないとしています。ウェブサイトの広告は、リンク先の URL を含めてデータか印刷物で残すとされ、細かな書き換えは同じ広告とみなす一方、重要な事項を変えたときや、画面の一新などで同じ広告とはいえない変更をしたときは、変更の前と後のデータを両方残すことになっています。アフィリエイトや SEO 対策のために第三者が管理するウェブサイトを使う場合には、広告の配信方針や報酬が発生する条件などを記した資料を残すことも挙げられています。

制作の打ち合わせの前に、事務所で整理しておきたいこと
ここまでの条文と指針をふまえると、制作を頼む前に、事務所の側で次の点を整理しておくと、打ち合わせで確かめる項目がはっきりします。
- 氏名(法人なら名称と事務所の名称)と所属弁護士会を、どのページのどこに載せるか(第9条)。
- 勝訴率、顧問先や依頼者、扱った事件を載せる予定はないか。載せるなら例外の条件に当たるか(第4条)。
- 「専門」「プロ」「一番」のような言葉を、ページの見出しや紹介文で使っていないか(指針)。
- 解説のコラムや動画の終わりに、相談を呼びかける言葉を入れるかどうか(指針)。
- 公開したページや、画面を一新したときの前後のデータ、外部に委託したときの契約書や入出金の記録を、誰がどこに残すか(第11条と指針)。
指針自身も、形だけで違反を問うのではなく、具体的な事例に即して実質的に解釈するよう求めています。規程と指針は、日弁連のウェブサイトの会規の一覧のページから PDF で読めるので、制作を進める前に原文に当たっておくと、判断の拠り所になります。

まとめ
弁護士の業務広告には、日弁連の「弁護士等の業務広告に関する規程」と、その解釈と運用を示す「業務広告に関する指針」があり、指針はウェブサイトや SNS も広告の媒体として扱っています。規程は2025年12月に、指針は2026年2月に改正され、どちらも2026年4月から(一部は7月から)施行されています。ページの構成や文言を決める段階で条文と指針を読み合わせ、迷う点は所属の弁護士会や日弁連の案内に当たっておくと、公開の前に確かめる項目を絞りやすくなります。

株式会社ドラマのご案内
京都市下京区の株式会社ドラマは、ホームページやECサイトの制作、SEO対策、WEBコンサルティング、SNS運用代行などを行っています。WEB制作のページでは、新規の制作にもリニューアルにも相談に応じると案内しています。制作は、ヒアリング、構成、デザイン、コーディング、公開の順に進むと案内しています。京都市を中心に、オンラインの打ち合わせで全国からの相談も受けています。ホームページの制作やリニューアルについて相談したいときは、公式サイトのお問い合わせページからご相談ください。

参考にした資料
各ページの内容は、2026年10月13日に確かめたものです。
RELATED Q&A
この記事に関連するよくある質問
Q.お問い合わせフォームのカスタマイズはできますか? +
A.Contact Form 7 / Google Forms / 自社開発フォーム等、要件に応じてカスタマイズ可能。reCAPTCHA・スパム対策・自動返信メール設定も込みです。
Q.公開後の保守・運用も対応してもらえますか? +
A.WordPress 保守、サーバー監視、コンテンツ更新、SEO レポート、LLMO/AIO 継続改善など月額保守プランを複数ご用意しています。
Q.SNS 運用(Instagram / X 等)も依頼できますか? +
A.京都中小企業向け SNS 運用代行プランがあります。投稿企画・撮影・運用・分析・改善提案を月額固定で対応します。
AUTHOR
この記事を書いた人
和本 賢一(わもと けんいち)
株式会社ドラマ 代表取締役
16歳でWEB制作事業を創業、業界歴25年超。WEB制作4,817件超・補助金申請516件超の実績を持つ。Shopify・STORES公式認定パートナー。SEO/LLMO/AIOを組み合わせた次世代検索対策に取り組み、戦略立案から制作・分析改善まで一気通貫で中小企業を支援。浄土真宗本願寺派僧侶としての顔も持ち、約800年続く伝統と最先端のデジタル技術を融合させる視点で経営に携わる。