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2017.02.19

役員報酬の決め方とは?適正な金額の設定基準と法的な手続きを解説

役員報酬の決め方とは?適正な金額の設定基準と法的な手続きを解説

会社を設立した際や新しい事業年度を迎える際、経営者が頭を悩ませるのが「役員報酬をいくらにするか」という問題です。役員報酬は従業員の給与とは異なり、自由に金額を変更したり、いつでも支給額を変えたりすることはできません。適切な決め方を知らなければ、税務署から損金として認められず、会社と個人の双方で余計な税負担が生じるリスクがあります。本記事では、役員報酬の決定時期や種類、適正な金額を設定するための具体的な基準について、実務的な観点から詳しく解説します。

目次

役員報酬を決める時期と期限

役員報酬の決定には厳格な期限が設けられています。これを守らないと、支払った報酬が経費(損金)として認められないため、注意が必要です。

事業年度開始から3ヶ月以内に決定する

法人税法の規定により、役員報酬の金額は新しい事業年度が始まってから3ヶ月以内に決定しなければなりません。例えば、3月決算の会社であれば、4月から6月末までの間にその期の報酬額を確定させる必要があります。この期間を過ぎてから金額を変更しても、基本的にはその年度の損金として算入することはできません。

原則として1年間は金額を変更できない

一度決定した役員報酬は、その事業年度内は毎月同じ金額を支給し続ける必要があります。年度の途中で会社の資金繰りが悪くなったからといって減額したり、逆に利益が出たからといって増額したりすると、定期同額給与の条件から外れてしまいます。例外的に認められるのは、役員の職務内容が大きく変わった場合や、経営が著しく悪化したなどの特定の理由がある場合に限られます。

役員報酬を損金として算入するためのルール

役員報酬を会社の経費として処理し、法人税を抑えるためには、以下の3つの形式のいずれかに該当させる必要があります。

定期同額給与

最も一般的なのが定期同額給与です。これは、毎月決まった日に同額の報酬を支払う形式を指します。税務上のトラブルを避けるため、多くの中小企業がこの方式を採用しています。1円でも支給額が変動すると、その差額分が損金不算入となる可能性があるため、社会保険料の控除後の振込額ではなく、総支給額を一定に保つことが重要です。

事前確定届出給与

いわゆる「役員賞与」を損金にするための制度です。あらかじめ「いつ、誰に、いくら支払うか」を税務署に届け出ておき、その内容通りに支給します。1日でも支給日がズレたり、1円でも金額が異なったりすると、全額が損金として認められないという非常に厳しいルールがあるため、計画的な運用が求められます。

業績連動給与

会社の利益や株価などの指標に連動して報酬額が決まる仕組みです。主に上場企業などで導入されています。客観的な算定基準が必要であり、同族会社(中小企業に多い形態)では適用が難しいため、一般的な経営者にとっては定期同額給与がメインの選択肢となります。

適正な役員報酬を決めるための3つの判断基準

金額をいくらに設定するかは、税金対策だけでなく、会社の成長性や個人の生活設計を総合的に判断して決めるべきです。

会社の利益状況とキャッシュフロー

まずは、その期にどれだけの利益が見込めるかを正確に予測します。役員報酬を高く設定すれば法人税は安くなりますが、会社に残る現預金が減り、将来の投資や借入金の返済が難しくなる恐れがあります。一方で、低すぎると法人税が高くなり、経営者個人の所得も不足します。会社と個人のトータルの手残りを最大化する視点が欠かせません。

同業種・同規模の企業の相場

あまりにも高額すぎる役員報酬は「不当に高額」とみなされ、税務調査で否認されるケースがあります。国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」などを参考に、同業種や同程度の売上規模を持つ企業の平均的な報酬額を把握しておくことが推奨されます。株式会社ドラマでは、不動産経営や資産活用のコンサルティングを通じて、こうした長期的な財務バランスの最適化をサポートしています。

社会保険料と所得税のバランス

役員報酬を増やすと、個人の所得税や住民税だけでなく、社会保険料(健康保険・厚生年金)の負担も増えます。社会保険料は労使折半であるため、会社側の負担も増大します。年収がある一定のラインを超えると、所得税の税率が法人税の実効税率を上回るため、節税メリットが薄れるポイントが存在することを理解しておきましょう。

役員報酬を決定する際の手続き

決定した金額を法的に有効にするためには、会社法に基づいた手続きが必要です。

株主総会での決議と議事録の作成

役員報酬は、定款に定めていない場合は株主総会の決議によって決定します。実務上は、株主総会で役員全員の報酬総額(枠)を決め、個別の配分は取締役会に一任する形をとることが一般的です。決議した内容は必ず「株主総会議事録」または「取締役会議事録」として記録し、保存しておかなければなりません。これは税務調査において、正当な手続きを経て報酬が支払われていることを証明する唯一の書類となります。

まとめ

役員報酬の決め方は、単に金額を設定するだけではなく、決定時期や支給ルール、法的な手続きを遵守することが求められます。利益を出しつつ、会社にキャッシュを残し、経営者個人の生活も守るためには、多角的なシミュレーションが不可欠です。適切な報酬設定を行い、健全な企業経営の基盤を築いていきましょう。不明な点がある場合は、顧問税理士などの専門家のアドバイスを受けながら、慎重に決定することをお勧めします。

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