お知らせ

お知らせ NEWS

2016.04.10

ホームページ制作における損害賠償トラブルの回避術|契約書のチェックポイントとリスク管理

ホームページ制作における損害賠償トラブルの回避術|契約書のチェックポイントとリスク管理

Webサイトの新規制作やリニューアルプロジェクトを進める際、多くの企業はデザインや集客効果に意識を向けます。しかし、実務上において極めて重要なのは、トラブルが発生した際の法的責任や損害賠償のリスク管理です。ホームページ制作は、発注側と制作側の認識の齟齬が起こりやすく、プロジェクトの遅延や仕様の不備から大きな紛争に発展する可能性を秘めています。本記事では、ホームページ制作にまつわる損害賠償の発生パターンや、契約締結時に確認すべき具体的な条項を詳しく解説します。

目次

ホームページ制作で損害賠償が発生する主なケース

ホームページ制作において損害賠償が請求される場面は多岐にわたります。まずは、どのような事態が法的なリスクに直結するのかを把握しましょう。

納期遅延による損害

予定していた公開日にWebサイトが完成しない場合、債務不履行として損害賠償責任を問われることがあります。例えば、キャンペーンサイトの公開が遅れたことで広告費が無駄になったり、ECサイトの稼働が遅れて本来得られるはずだった売上(逸失利益)が発生したりした場合です。制作側だけでなく、発注側の素材提供が遅れたことが原因で納期がずれ込むこともあり、責任の所在が争点となります。

システム上の欠陥やバグ(契約不適合責任)

納品されたWebサイトに重大なバグがあり、正常に機能しない状態を「契約不適合」と呼びます。以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていましたが、民法改正により名称が変わりました。期待された品質や機能が備わっていない場合、発注者は修補請求や代金減額請求、さらには損害賠償請求を行う権利を有します。特に個人情報の漏洩や決済システムの不具合は、被害額が膨大になりやすいため注意が必要です。

第三者の著作権や知的財産権の侵害

制作過程で使用した画像、イラスト、フォント、あるいはプログラムコードが第三者の権利を侵害していた場合、権利者から損害賠償を請求される恐れがあります。制作会社が用意した素材だけでなく、発注側が提供した資料が権利を侵害しているケースも珍しくありません。紛争が発生した際にどちらが責任を負い、費用を負担するかを明確に定めておく必要があります。

契約形態による責任範囲の違い

ホームページ制作の契約には大きく分けて「請負契約」と「準委任契約」の2種類が存在します。どちらの形式を採用するかで、損害賠償の発生条件が異なります。

請負契約(成果物の完成を目的とする)

一般的なWeb制作で多く用いられる形式です。制作会社は「Webサイトを完成させること」を約束し、その対価として報酬を受け取ります。完成しなかった場合や、完成品に不備がある場合は、結果に対する責任を負うため、損害賠償責任が発生しやすい傾向にあります。

準委任契約(業務の遂行を目的とする)

保守運用やコンサルティング、あるいは仕様が確定していない大規模開発などで選ばれる形式です。こちらは「善良な管理者の注意(善管注意義務)」をもって業務に取り組むことが求められますが、必ずしも成果物の完成を保証するものではありません。義務に違反したと認められない限り、損害賠償責任は問われにくい特徴があります。

損害賠償リスクを最小限に抑える契約書のチェックポイント

法的なトラブルを未然に防ぎ、万が一の際の負担を予測可能にするためには、契約書の文言を精査することが不可欠です。

損害賠償額の制限条項

損害賠償の金額に上限を設ける条項です。一般的には「受領済みの委託料を上限とする」や「直近12ヶ月の支払額を上限とする」といった内容が盛り込まれます。この条項がないと、予期せぬ巨額の賠償責任を負うリスクがあるため、制作会社にとっては必須の項目といえます。発注側としても、上限の設定が妥当であるかを確認するべきです。

免責事項の明確化

不可抗力(天災地変など)や、外部サービスの仕様変更(Googleのアルゴリズム変更、SNSのAPI廃止など)によって生じた損害について、制作側が責任を負わない旨を明記します。また、発注側が用意したサーバー環境やOSの不具合に起因するトラブルも、免責の対象とすることが一般的です。

検収フローの規定

納品後の確認プロセスを詳細に定めます。「納品から〇日以内に通知がない場合は検収合格とみなす」という「みなし検収」の規定は、トラブルの長期化を防ぐために有効です。検収完了をもって、その時点で見つからなかった不具合以外の責任を限定させることで、後出しの修正依頼や賠償請求を防ぐ効果があります。

トラブルを未然に防ぐためのプロジェクト管理

損害賠償問題に発展させないための最も有効な手段は、密なコミュニケーションと確実な記録です。株式会社ドラマでは、Web制作の各工程で合意形成を徹底し、認識のズレが生じないような体制を整えています。仕様変更が発生した際には、都度書面やメールでエビデンスを残し、スケジュールや費用の変動について双方で合意を得ることが重要です。また、著作権に関しては、権利の帰属先を契約段階で明確に切り分け、使用許諾の範囲を特定することで、将来的な紛争を回避します。

まとめ

ホームページ制作における損害賠償は、契約書の不備やコミュニケーション不足から生じることがほとんどです。発注側は「どのようなリスクがあるか」を理解し、制作側は「どのような責任を負うか」を明確に提示することが、健全なビジネス関係の構築につながります。契約書を作成・確認する際は、今回紹介したポイントを参考に、自社の権利を守りつつ、現実的なリスク分担を検討してください。信頼できるパートナーとともに、安全なプロジェクト運営を目指しましょう。

あわせて読みたい