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2021.03.27

ZIP暗号化(PPAP)廃止の背景と企業が取るべき具体的な代替策

ZIP暗号化(PPAP)廃止の背景と企業が取るべき具体的な代替策

ビジネスシーンで長年利用されてきた、パスワード付きZIPファイルとパスワードを別送する「PPAP」の手法が、大きな転換期を迎えています。多くの企業や官公庁がこの手法を廃止し、より安全なファイル共有方法へと舵を切っています。本記事では、なぜZIP暗号化の廃止が必要なのか、そのセキュリティ上のリスクから具体的な代替案までを、Web環境の変化とともに詳しく解説します。

目次

なぜZIP暗号化(PPAP)の廃止が進んでいるのか

これまで、機密ファイルをメールで送る際の標準的なマナーとされていたのが、ファイルをパスワード付きZIP形式で圧縮し、そのパスワードを別メールで送る手法です。しかし、現在のセキュリティ基準では、この手法は安全とは言えません。

従来のPPAPが抱える致命的なセキュリティ欠陥

最大の問題は、メール経路が同じである場合、1通目のメールが傍受される環境であれば、2通目のパスワードメールも同様に盗み見られる可能性が極めて高いという点です。また、パスワードを知らなくても総当たり攻撃で解析可能なツールが普及しており、実質的な防御策として機能しなくなっています。

政府の方針転換と企業の動向

2020年11月、内閣府と内閣事務局がPPAPの廃止を公表したことで、この動きは加速しました。現在では、大手企業を中心に「暗号化ZIPファイルを受け取らない」という受信制限を設けるケースも増えています。ビジネスを円滑に進めるためには、自社だけの都合ではなく、取引先のセキュリティポリシーに合わせた対応が求められるようになっています。

暗号化ZIPファイルを利用し続けるリスク

ZIP暗号化の廃止が叫ばれる理由は、単に防御力が低いからだけではありません。攻撃者がこの仕組みを悪用している実態があります。

マルウェア検知をすり抜ける攻撃手法の増加

セキュリティソフトの多くは、暗号化されたZIPファイルの中身をスキャンすることができません。攻撃者はこれを利用し、ウイルス(マルウェア)をパスワード付きZIPに封入して送りつけます。受信者が自らパスワードを入力して展開することで、セキュリティチェックを回避して感染させる「Emotet(エモテット)」などの被害が後を絶ちません。

受信側の負担と利便性の低下

スマホやタブレットなどのモバイル端末では、ZIPファイルの展開に専用アプリが必要な場合が多く、外出先での確認が困難です。また、メールを2通受信してパスワードをコピー&ペーストする手間は、業務効率を著しく低下させます。安全性だけでなく、生産性の観点からもPPAPは現代のビジネススタイルにそぐわなくなっています。

推奨されるZIP暗号化の代替手段

ZIP暗号化を廃止した後の運用として、一般的かつ安全な方法はいくつか存在します。自社の業務形態に適したものを選択することが重要です。

クラウドストレージを活用したリンク共有

Google ドライブやMicrosoft OneDrive、Boxといった法人向けクラウドストレージを利用する方法です。ファイルをクラウド上にアップロードし、発行した閲覧用リンクを相手に共有します。アクセス権限を細かく設定でき、万が一誤送信した際も後からリンクを無効化できるため、情報漏洩リスクを最小限に抑えられます。

ビジネスチャットツールの活用

SlackやMicrosoft Teams、Chatworkなどのビジネスチャットであれば、ファイル共有はドラッグ&ドロップで完了します。参加メンバーが限定されたクローズドな環境でのやり取りとなるため、メールよりも盗聴リスクが低く、迅速な意思疎通が可能です。

法人用ファイル転送サービスの導入

大容量のデータを送る必要がある場合は、高いセキュリティ基準を満たした法人向けのファイル転送サービスが有効です。送受信履歴の管理や、ダウンロード回数制限などの機能が備わっており、組織的な管理が容易になります。

スムーズな脱PPAPを実現するためのステップ

運用の変更には社内の混乱が伴うため、段階的な移行が必要です。既存のシステム環境を活かしつつ、最適なツールを選定しましょう。

社内ルールの策定とIT基盤の整備

まずは現状のファイル共有フローを洗い出し、どのツールに置き換えるかを決定します。同時に、機密情報の取り扱いに関するガイドラインを改定し、従業員への教育を徹底することが不可欠です。ネットワーク環境の見直しや、クラウドサービスの適切な設定も並行して行う必要があります。

株式会社ドラマによるDX・セキュリティ支援

株式会社ドラマでは、企業のITインフラ構築から運用保守まで、トータルなソリューションを提供しています。ZIP暗号化廃止に伴うセキュリティの見直しや、クラウドストレージの導入支援など、各企業のニーズに合わせた最適なIT環境の構築をサポートします。技術的な課題だけでなく、現場が使いやすいシステムの提案に強みを持っています。

まとめ

ZIP暗号化(PPAP)の廃止は、単なるマナーの変更ではなく、組織の情報を守るための切実な課題です。セキュリティリスクを正しく理解し、クラウドストレージやビジネスチャットなどの代替手段へ移行することで、安全性の向上と業務効率化の両立が可能になります。自社に最適なIT基盤の構築については、専門的な知見を持つパートナーへの相談も検討しながら、迅速な対応を進めていきましょう。

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