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2020.12.01

Kubernetesの基礎知識|コンテナ運用の自動化を実現する仕組みと導入のメリット

Kubernetesの基礎知識|コンテナ運用の自動化を実現する仕組みと導入のメリット

現代のWebシステム開発において、効率的なインフラ運用を支える技術として「Kubernetes(クバネティス)」が欠かせない存在となりました。アプリケーションのリリースサイクルを高速化し、サービスの安定性を維持するために、多くの企業がコンテナ技術と共に導入を進めています。しかし、Kubernetesは多機能であるゆえに、その仕組みを正確に理解するのは容易ではありません。この記事では、インフラの知識をこれから深めたい方に向けて、Kubernetesの基礎概念から導入のメリット、主要な構成要素までを分かりやすく解説します。株式会社ドラマが提供するクラウド基盤構築の知見を交えながら、ビジネスを加速させるコンテナ運用の本質に迫ります。

目次

Kubernetesとは?コンテナ管理を効率化するプラットフォーム

Kubernetesは、オープンソースの「コンテナオーケストレーションシステム」です。もともとはGoogleが社内で利用していたシステムをベースに開発され、現在はCloud Native Computing Foundation(CNCF)によって管理されています。多くのIT現場では、アプリケーションを軽量かつポータブルに動かす手法としてDockerなどのコンテナ技術が採用されていますが、そのコンテナの数が増えると、個別の管理が困難になります。Kubernetesは、数百、数千というコンテナの配備や管理を自動化するための司令塔として機能します。

コンテナ技術とKubernetesの関係

コンテナは、アプリケーションの実行に必要なプログラムやライブラリを一つのパッケージにまとめたものです。サーバー環境に依存せず、どこでも同じように動作する点が強みです。しかし、本番環境でサービスを稼働させる場合、一つのコンテナを動かすだけでは不十分です。負荷に応じてコンテナを増やしたり、障害が発生した際に新しいコンテナを立ち上げ直したりする作業が必要になります。これらの「コンテナをどう動かすか」という運用全般を担うのがKubernetesの役割です。

オーケストレーションが必要な理由

「オーケストレーション」という言葉は、音楽のオーケストラにおいて指揮者が各奏者をまとめ上げる様子に由来します。ITの世界では、複数のサーバー(ノード)に分散したコンテナ群を一元管理し、システム全体を調和させて稼働させることを指します。手動でコンテナの起動や停止を行うと、作業ミスや対応の遅れが生じかねません。株式会社ドラマでもWebシステムの開発において、安定性を担保するために自動化された管理体制の構築を推奨しています。

Kubernetesを導入する3つの大きなメリット

Kubernetesの導入は、単なる技術的な流行ではなく、ビジネス上の競争力を高めるための戦略的な選択となります。ここでは、特に運用面で恩恵を受けやすい3つのポイントを整理します。

スケーリングの自動化による柔軟な対応

Webサービスへのアクセス数は、時間帯やキャンペーンの実施によって大きく変動します。Kubernetesには「オートスケーリング」機能が備わっており、CPUの負荷やトラフィックの増減に応じて、コンテナの数を自動で調整可能です。急激なアクセス増が発生しても、システムがパンクする前にリソースを拡張し、ユーザー体験を損なわない運用を実現します。逆に、アクセスが少ない時にはリソースを縮小し、無駄な稼働を抑えることができます。

自己修復機能によるサービスの安定化

Kubernetesは、常に「あるべき状態」を維持しようとする特性(宣言的設定)を持っています。例えば、何らかの理由で特定のコンテナが停止してしまった場合、システムが異常を検知して即座に新しいコンテナを再起動します。この「セルフヒーリング(自己修復)」により、深夜や休日であっても管理者が手動で復旧作業を行う必要性が減り、サービスのダウンタイムを最小限に抑えられます。インフラの安定稼働は、顧客の信頼を得るための重要な基盤となります。

リソースの最適化とコスト削減

物理サーバーや仮想マシンのリソースを効率的に使うことも、Kubernetesの得意分野です。各コンテナが必要とするCPUやメモリの量を定義しておけば、Kubernetesが最適なサーバーを選択して配置を行います。複数のアプリケーションを一つのインフラ上に効率よく詰め込むことができるため、ハードウェアやクラウドの利用料金を最適化できます。開発コストや保守費用を抑制しながら、高性能なシステムを維持できるのは大きな強みです。

Kubernetesを構成する基本アーキテクチャ

Kubernetesを理解するためには、その内部構造を知る必要があります。システム全体は「クラスター」と呼ばれる単位で構築され、大きく分けて2つの役割を持つコンポーネントで構成されます。

コントロールプレーンとノードの役割

クラスターの脳にあたるのが「コントロールプレーン」です。クラスター全体の状態を監視し、どのコンテナをどこで動かすかの意思決定を行います。一方、実際にコンテナが動作する作業用サーバーを「ノード(ワーカーノード)」と呼びます。コントロールプレーンからの指示を受け取り、各ノードがコンテナを実行することで、システム全体が機能します。この役割分担により、大規模な構成であっても統制の取れた運用が可能になります。

最小単位であるポッド(Pod)の仕組み

Kubernetesにおける最小の管理単位は、コンテナそのものではなく「ポッド(Pod)」です。一つのポッドには一つ、あるいは密接に関連する複数のコンテナが含まれます。同じポッド内のコンテナは、ネットワークやストレージを共有し、密に連携して動作します。Kubernetesはこのポッドを単位としてスケーリングや配置の管理を行います。コンテナを直接操作するのではなく、ポッドというカプセルを通じて管理するのがKubernetesの設計思想です。

導入時に考慮すべき課題と対策

多くのメリットがあるKubernetesですが、導入にはいくつかのハードルが存在します。成功させるためには、事前の準備と理解が必要です。

学習コストと運用負荷のバランス

Kubernetesは非常に多機能であるため、設定項目が多く、エンジニアに求められるスキルセットも高くなります。マニフェストファイルと呼ばれるYAML形式の設定ファイルを記述し、細かな制御を行う必要があります。初期導入時の設計を誤ると、かえって運用が複雑化する恐れもあります。専門知識を持つパートナーと協力するか、AWSのEKSやGoogle CloudのGKEといったマネージドサービスを活用することで、構築・運用の負担を大幅に軽減できます。

セキュリティ設計の重要性

コンテナ環境特有のセキュリティリスクにも注意が必要です。コンテナ間の通信制限や、特権アクセスの管理、コンテナイメージのスキャンなど、従来のサーバー運用とは異なる視点での対策が求められます。株式会社ドラマでは、開発段階からセキュリティを考慮する「DevSecOps」の考え方を取り入れ、安全なクラウド環境の構築を支援しています。脆弱性を未然に防ぐ仕組みを構築することが、長期的な安定運用への近道です。

まとめ

Kubernetesは、コンテナ運用の自動化を通じて、ビジネスの俊敏性とシステムの安定性を両立させる強力なツールです。スケーリングや自己修復といった機能を活用することで、インフラ管理の負担を劇的に改善できます。一方で、その高い専門性をカバーするためには、適切な技術選定と設計が不可欠です。最新の技術を自社のビジネスにどう取り入れるべきかお悩みの方は、ぜひ専門家へご相談ください。効率的なWebシステム開発と強固なインフラ基盤が、次世代のビジネスを支える大きな武器となるはずです。

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