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2020.02.23

STOによる新たな資金調達の可能性|仕組みやメリット、法規制を詳しく解説

STOによる新たな資金調達の可能性|仕組みやメリット、法規制を詳しく解説

デジタル技術の進展に伴い、企業の資金調達手法は多様化の道を辿っています。中でも、ブロックチェーン技術を活用した「STO(セキュリティ・トークン・オファリング)」は、従来の株式や社債といった手法に代わる、あるいはそれらを補完する新しい選択肢として、多くの注目を集めています。この記事では、STOの基本的な仕組みから、従来の資金調達手法との違い、導入するメリットや法的課題までを掘り下げて解説します。

目次

STO(セキュリティ・トークン・オファリング)とは何か

STOは、ブロックチェーン技術を用いてデジタル化された証券「セキュリティ・トークン(ST)」を発行し、投資家から資金を調達する手法を指します。このトークンは法律上の有価証券として扱われる点が最大の特徴です。

STOの基本的な定義

セキュリティ・トークンとは、株式や債券、不動産の受益権などの権利をデジタル化したものです。分散型台帳技術を利用することで、権利の移転や保有状況を正確かつ透明に記録できます。従来のペーパーベースや中央集権的なシステムに依存しない新しい証券の形態として、金融業界で導入が進んでいます。

ICOやIPOとの決定的な違い

かつて流行したICO(イニシャル・コイン・オファリング)は、法的な裏付けが乏しく、投資家保護の観点で多くの問題を抱えていました。一方、STOは各国の証券法を遵守して行われるため、法的な信頼性が確保されています。また、IPO(新規公開株)と比較すると、上場審査のような極めて厳しい基準や膨大な維持コストを抑えつつ、証券としての機能を維持できる点が魅力です。

企業がSTOで資金調達を行うメリット

企業がSTOを選択する背景には、従来の金融システムでは解決できなかった課題を突破できる可能性があります。

資金調達コストの低減とプロセスの効率化

従来の証券発行では、証券会社や信託銀行、カストディアンといった多くの仲介組織が関与します。STOではブロックチェーン上のスマートコントラクトを活用することで、配当の支払い、権利の移転、株主名簿の管理といった事務作業を自動化できます。これにより、中間コストを大幅に削減することが可能です。

投資家層の拡大と少額投資の実現

これまで高額な投資単位が必要だった不動産や未公開株などの資産を、デジタル上で細分化して販売できます。例えば、数億円単位の不動産物件を1万円単位のトークンとして小口化すれば、個人投資家でも容易に参加できるようになります。これにより、企業はより幅広い層から資金を集められるようになります。

24時間365日の取引と高い流動性

証券取引所の営業時間外でも、デジタルアセットの取引所を通じてトークンの売買が行える環境が整いつつあります。流動性が低いとされてきたオルタナティブ資産に対して、二次流通市場(セカンダリーマーケット)での取引機会を提供できる点は、投資家にとっても大きなメリットといえます。

日本におけるSTO / 資金調達の法規制と現状

日本は世界的に見てもSTOに関する法整備が先行している国の一つです。しかし、遵守すべきルールは厳格に定められています。

金融商品取引法による規制

2020年5月に施行された改正金融商品取引法により、セキュリティ・トークンは「電子記録移転権利」として明確に定義されました。これにより、発行体や取り扱う証券会社には、従来の有価証券と同等の開示義務や業登録が求められるようになっています。法規制の枠組みが明確になったことで、大手金融機関が続々と市場に参入するきっかけとなりました。

不動産特定共同事業法との関連性

特に日本で活発なのが不動産STOです。不動産を裏付けとするトークンを発行する場合、金融商品取引法だけでなく、不動産特定共同事業法(不特法)との調整が必要になるケースがあります。スキームの構築には、法律の専門家との連携が欠かせません。

STOを成功させるための具体的なステップ

STOを実施するためには、まず裏付けとなる資産(アセット)の選定と評価が必要です。その後、ブロックチェーン基盤の選定を行い、トークンの設計を行います。次に、証券会社などの登録業者を通じて投資家への募集を行い、払い込みが完了した時点でトークンが発行される流れとなります。発行後も、投資家への情報開示や配当管理を継続的に行う体制が求められます。

STO導入における課題と今後の展望

大きな可能性を秘めたSTOですが、課題も存在します。一つは、二次流通市場がまだ発展途上である点です。トークンを自由に売買できる取引所が限定的であるため、期待されるほどの流動性が確保できない場合もあります。また、ブロックチェーン技術そのものに対する理解や、秘密鍵の管理といったセキュリティ面でのリスク管理も、企業・投資家双方にとって重要な課題となるでしょう。

まとめ

STOは、ブロックチェーンの信頼性と有価証券の法的保護を掛け合わせた、画期的な資金調達手法です。少額からの投資を可能にし、事務コストを削減できるこの仕組みは、今後の企業の財務戦略において重要な役割を果たすと考えられます。株式会社ドラマにおいても、DX推進や新たなITソリューションの活用を通じて、企業の成長を支援する視点を持ち続けることが重要です。最新の金融技術を正しく理解し、自社の事業展開にどのように活かせるかを検討することは、これからの時代を勝ち抜く鍵となるでしょう。

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